『人と組織が変わる暗闇ごはん-Dinner in the Dark-』を読みました

夕飯にチキンが食べたくなって、「今日、ケンタッキーにしない?」とCMの高畑充希ちゃんのように家族に言ってみたのですが、色々難しかったです。
ふたださとみです。


図書館でタイトルが気になって借りてきて、『人と組織が変わる暗闇ごはん-Dinner in the Dark-』(青江覚峰・著)という本を読みました。



暗闇ごはんとは。

薄暗闇の中、アイマスクをつけて着席している人に料理が一品ずつ運ばれてきます。日常では体験することのできない暗闇での食事。これが「暗闇ごはん」です。
(中略)
人間が視覚から得ている情報は、脳で処理される情報全体の80パーセントを占めるともいわれます。その視覚情報が遮断されたとき、人間が本来持っていた動物的な感覚が非常に研ぎ澄まされてきます。

まえがきより

暗闇ごはんでは、自分の席に座った時点で隣に誰がいるのか分からないという状況を作り出すそうで、本書の中ではその状況を、「大宇宙ひとりぼっち」と説明されています。

大宇宙ひとりぼっち…。

そこからスタートして、「暗闇じゃんけん」や自己紹介などを通して、お互いを知っていく(もちろんアイマスクはずっとしたまま)。料理が運ばれてくると、恐る恐る手を伸ばして口に運び、味わう。そして、「味について」「食材は一体何なのか」などを近くにいる人とディスカッションしながら食事を進めていく。コースの終盤でアイマスクを外し、それまで出てきた食事についての説明がなされる、

という一連の流れが実際の様子を交えながら臨場感たっぷりに書いてあります。

最大の魅力は、日頃、自分の持っている「ものの見方」や「お互いのコミュニケーション」についての気づき(何の情報によって判断しがちか)が生まれることなのかな、と読んでいて思いました。

知らず知らずに情報の波に埋もれて。よく聞かないまま、よく話さないまま、よく味わないまま、よく匂わないまま、ある場面では「偏見」まで持っていたりして。それに気づく。


企業の研修でも企画として使われているという「暗闇ごはん」。
紹介されているメリットは大きく3つ、「マインドフルネス」「コミュニケーション」「ノンバイアス」とのこと。

マインドフルネス。今、ここに集中して自分との対話を深めること。

コミュニケーション。お互いの役割、お互いの得意不得意なコミュニケーションスタイルについて改めて考える機会になる。何となくぼんやりしている問題点や構造を可視化できる。

ノンバイアス。自分はどんなバイアスを持っているのか。アンコンシャス・バイアス(偏りに自分自身が気づいていないこと)に気づく。

結局、アンコンシャス、つまり「気づいていない」ことがいちばんの問題で、自分の考えには偏見や思い込みからバイアスがかかっていると自覚してそれに向き合うことができれば、あとは自ずと修正していくことができます。

本文p.108

視覚を遮断することで「可視化」されるものがあり、アンコンシャスだったものに「気づく」という…。

その他、暗闇ごはんの後にお菓子を食べることを通して、「生きることを考える」ワークショップの紹介などもあり、一文一文が心に沁みます。

全編を通して印象的だったのは、「こんなに一生懸命ごはんを食べたのはいつ以来のことでしょうか?」というフレーズでした。


ふたださとみでした。
今日のSFOタイトルは、

見えないから、見えてくるもの

でした。
SEOタイトルとSFOタイトルの違いはこちらです。
「主観と客観」、「カウンセラーブログ」を意識する練習をしています。

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