口紅への抵抗-大人になることへの怖れ-

ビールかワインかで悩んで、梅酒ロックを飲みました、ふたださとみです。


口紅。口紅。リップメイク。
長いこと、わたしは自分が口紅に抵抗を持っていたことに気づかなかった。
積極的に抵抗を持っていたというよりは、あまり意識に上ってこなかったから。
冬場に乾燥をすると唇の表面がガサガサになって、「実質的に困るから」、リップクリームは塗るかな、ぐらい。20代半ばまでそのぐらいの感覚だった。


最初に口紅を使った時、何か嫌な出来事があったのか??と、思い起こしてみても、特に思い当たることは何もなく。
高校生の時、色付きのリップクリームから手始めに買ってみたものの、何回か使ったきりそのまま。
大学生の頃、親戚が外国に行ったお土産でわたしに買ってきてくれたのは口紅。おそらく免税品店で推されていた商品だったのだろうけど、わたしは「どうして口紅なのだろう?」としばらく考え込んでしまった。口紅をプレゼントされるということは、「もっとちゃんと大人になってね」ということ?と思って少し落ち込んだ(まあまあこじらせていた)。
その後も、節目のイベントなど「こんな時は普通口紅を塗るものなのだろう」と思った日にだけ口紅を塗って、どこか違和感を抱きつつ過ごし、その日が終わるとまた普段は意識もしない、という感じだった。


それでも時々、妹や茶道の教室の先輩が、わたしに口紅をプレゼントしてくれた。親戚に口紅をもらった日から比べると、少しずつ抵抗は無くなっていったように思うけれど、「口紅をこんなにも頻繁にプレゼントされるということは、やっぱり、わたしの口紅への意識が低いことが他の人にも分かるのだ」と思っていた(こじらせていた)。そこまでこじらせなくてもいいとは思うけれど、やはり「口紅をもらう機会が何度かあった」というのは、わたしにとっては何か意味があったのだろうと思う。


わたしにとっては口紅は「大人の女性の象徴」だった。
丁寧にリップメイクをされている女性を見ると、憧れと、どこか嫌悪感と、抵抗と、あんな風にはなれないんだという諦めと、色々な感情が混ざって複雑だった。だから考えないようにしていた。


はい、ここで。
口紅を好きになる印象的な出来事が起こり、抵抗や怖れがなくなり、それをきっかけにわたしは変わりましたというエピソードが!

…特になく(泣)。

ただ、今のわたしは口紅が大好き。口紅というかリップメイク全般大好き。全然詳しくはないし、上達もしないけれど、とにかく好き。

「今日はオペラの3番と5番どっちにしようかな〜」と考える瞬間が好き。

他の人がしている口紅を見るのも好き。メーカーさんの出している広告とキャッチコピーを見るのも好き。テレビも、「わあ、この女優さんのリップ、かわいいかわいいかわいいっ!」と思いながら見たりする。


口紅側の事情(?)としては、わたしが20代の頃よりも、リップメイクの幅そのものがとても拡がっているような気がする。色も質感も豊富だし、「肌色に合わせて選ぶ」ことについても今は情報が豊富で、口紅初心者のわたしでも簡単だし、ラインナップを見ていても「別に、口紅=赤じゃなくてもいい」という感じが出ていて、ありがたい。でも昔からそうだったのかも。それに気づかなかったのはわたし側の事情だ。

わたし側の事情としては、
大人の女性になることを自分に許せたからかもしれない。

自己嫌悪が少なくなったからかもしれない。
母との癒着が弱まったからかもしれない。
「自分らしさ」をもっと開きたくなったからかもしれない。


別に口紅を好きにならないといけないわけではないし、手段のひとつだから、口紅がなくても大人の女性になることを許せるだろうし、口紅をしていなくても女性らしさ全開の人はたくさんいるし、怖れや抵抗とは全く関係なく、単に口紅が「好みじゃない」ということもあり得る。


ただ、わたしの場合は、ドラマのように綺麗な1本の線につながるストーリーではないものの、自分を好きになるにつれて口紅も好きになった。

そう思える。

女性と口紅。
男性と車選び、の関係も気になるところ。

今日はオレンジ色のリップにしよう。
ふたださとみでした。




今日のSFOタイトルは、

ルージュと言ってみたい


でした。
SEOタイトルとSFOタイトルの違いはこちらです。

 

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